HR TALKS

ファッション業界ウラ話

アパレル業界の労働人口低下問題を考える(1)−女性の労働者を増やすために−|【人材コンサルタント大野理恵さん】

労働人口が低下している現代、アパレル業界においても人材不足が問題視されています。Fashion HRではインタビューを通じて、ファッション業界の労働人口増加や地位向上に向けたヒントを探っていきます。

今回は、自身もファッション業界出身者であり、企業の人材開発と人材紹介のコンサルティングを行うウィンフィニティ代表、そして女性支援のNGO団体GIRL POWERの専務理事も務める大野理恵さんに、業界内での労働人口の低下について課題や改善のためのポイントについてお聞きしました。
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ファッション・アパレル業界の労働人口は減っている?

−日本の労働人口は現在どのような状況なのでしょう?

現在、日本の人口は1億2600万人で、うち日本全体の就業者数は6500万人です。そのうち2800万人の女性が労働人口として就業している事実があります。この就業者数6500万人というのは、実は前年より約80万人は増加しています。増加している一方、アパレル企業に人材紹介をさせてもらっているなかで「現場の人材をなかなか確保しづらい」といった企業の悩みは年々増えています。

−労働人口が増えている一方で、アパレル現場での人材確保が難しい理由をどうお考えですか?

大きく分けて2つの理由があると思います。まず1つが、働く側の意識として、アパレル業界での販売の仕事は新3K(きつい、帰れない、給料がやすい)という意識が根づいてしまっていること。私がアパレルの販売職を経験していた15年ほど前は、現場で洋服を売るということが花形の仕事とされていました。ファストファッションが台頭する前の時代ですから、ラグジュアリーブランドへの憧れが特に強かったですし、煌びやかな女性が最新のトレンドの洋服を着て販売をするという、まさに憧れの職業でしたが、時代の変化の激しさを感じます。

−アパレル業界の労働人口低下。もう一つの理由とは?

それは、人を採用する側の意識です。アパレル企業への求職者が減っているなかで優秀な人材を取り合うという、かなり競争力の高い中ですが、採用側は以前と変わらない高い条件を求めています。販売力もあり、コミュニケーションもとれ、なおかつ容姿端麗で、となると本当にその条件に合う人材確保はさらに難しくなるでしょう。

人材確保のためには「新しい層の取り込み」が必要

−どんな対策が考えられるのでしょうか。

どの業界にも言えることですが、労働人口を確保するという手段で、3つのカテゴリーの人々に注目する必要があります。まずは、シニア層の活用です。シニアを再雇用、あるいはパートタイムなどで活用をしていきながら、彼ら、彼女たちのその熟練の経験値や知識を発揮する方法です。

さらには女性の活用です。先ほどお伝えした通り、女性は労働人口のうちの2800万人で、まだまだ参入できる余地があります。日本の人口で言うと、若干女性の人口の方が多いですから、労働人口として女性を増やしていくという余地は十分にあります。

−アパレル業界は他の業界に比べて女性が多い業界です。まだ余地はありそうでしょうか?

アパレル業界は、女性の活躍というところでは他の業界に比べて進んでいると思います。でも、そのなかでもいかに優秀な人を取り込んでいくかということ、またまだまだ社会に出ていない女性が、彼女たちのライフスタイルも楽しみながら、気軽に仕事に参画できるような取り組みも必要だと思います。パートタイムでもアパレル業界で活躍できるのであれば、やってみようかなと思う人は絶対にいるはずです

−仕組みから変えていく必要があるということですね。

いつの時代も今ある制度や仕組み、ルールを変えていくことが求められます。こういった実態があります。

ある、500名社員がいるうちの250名が女性だという会社の例です。40〜50代の女性リーダーが約30名いらっしゃるのですが、結婚・出産を経験している方が1割も満たないそうなのです。そのような状況の職場で何が起こるかというと、若い世代がワークライフバランスを重視したり、育休・産休を取得するのが当たり前という感覚を持っていますが、リーダーたちにはそういう感覚がない。何故ならば自分は結婚もしていないし、子どももいないため、そういう制度を使う必要がない。

なので、そういうものを当たり前に使う人たちに対する理解度や共感度の欠如、あるいは反発というのがどうしても出てきてしまいます。

個々の能力を最大限に生かせる評価システム

−産休、育休に関しては様々な議論が出てきて、制度が整いつつある中、新たな課題も生まれているのですね。

ワーキングママであろうが、独身女性であろうが、いろんな立場、状況がそれぞれあるはずなのに、どうしてもフェアに扱われていない現状なのです。

先ほど挙げた例はひとつの会社のケースではありますが、同じような課題が様々な企業で起こっています。全ての社員が満足いく制度やルールを完璧に設けることは、難しさが生じると思います。それでも、外部や内部環境の変化、何より社内ニーズを汲み取り、課題解決をしていくことが大切なのです。組織の構造や制度、評価システムには常に改善の余地があります。1人1人がもっともっと評価をされて、能力を最大限に活かすということが重要です。

次回へ続く>>

労働人口は若干増えているはずなのに、アパレル業界を目指す人の数が減っている現状を目の当たりにすること。さらに、もっと有効に活用すべき人材を取り込み、その人材1人ひとりがより働きやすくなるよう環境を整えていくことが重要なことのようです。

次回は、海外から見た日本の労働環境についてお話をお聞きします。

今回お話を聞かせてくれた方

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ウィンフィニティ 代表 大野理恵

「多様性を育み、企業と個人に活力を与える」ことをビジョンに掲げ、2013年株式会社ウィンフィニティを設立、教育コンサルティング事業を行う。多様性を育むための、キーパーソンである女性の活躍を後押しすべく、働く女性に向けたコーチングをこれまでに1000名以上行う。社会で活躍する女性が抱える悩みに直面し、一人でも多くの女性がより豊かな人生を過ごすためにサポートを行う。2015年ガールパワーに参画、専務理事に就任。

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