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ザ・ノース・フェイス × ニューバランスが考える最新マーケティング戦略とは? 「Mobile Marketing UPDATE -トップマーケターの考えるモバイル戦略 -」レポート

4月某日、様々なアパレルブランドに最適なアプリを提供する株式会社ヤプリが主催するイベント「Mobile Marketing UPDATE -トップマーケターの考えるモバイル戦略 -」が開催されました。ますます高まるニーズに応えるべく、2つの世界的人気ブランドの事例に学ぼうと多くの人が詰め掛けた同イベント。

今回は、ザ・ノース・フェイスとニューバランスのマーケティング担当者によるモバイルマーケティング戦略についてのセッションをレポートします。

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ザ・ノース・フェイスとニューバランスが考える最新のモバイル戦略

ザ・ノース・フェイスのデジタル戦略について、山本剛ゴールドウイン マーケティング部 部長、オフィシャルECサイトをリニューアルしたばかりというニューバランスからは、牧嶋琢実ニューバランスジャパンDTC Ecommerce Managerがそれぞれ登壇。また、アンダーアーマーなどを手がけるドームから、阿部敏Eコマース部ウェブマーケティングチーム チームリーダーが、モデレーターとしてセッションを進行しました。

まずはそれぞれの自己紹介、ブランドプロフィールなどを披露。両者ともブランドの世界観を表現する動画を駆使したブランドサイトを持ち、モバイルとムービーの親和性の高さについて言及されました。そしていよいよセッションの始まりです。

−まずはニューバランスの牧嶋さんにお聞きしますが、フルリニューアルしたECサイトは、約半年という短期間で完成したとのことですが、込められた思いやリニューアルのポイントについてお聞かせください。

牧嶋さん(以下、敬称略):4月5日リニューアルサイトをオープンしました。プロジェクトをキックオフしたのが昨年の10月ですので、かなりタイトではありました。しかし、グローバルがどんどん新しいサイトへと進化し続けるなか、どうしても日本のECサイトだけ遅れてしまっていたんですね。ジャパンもグローバルの一員としてECサイトを通じて、ブランドの世界観を出して行きたかったのが一番の強い思いです。そこで半年という期間を設け、やり遂げたプロジェクトでした。

−特に気になったのがロイヤリティプログラムとアマゾンペイメントなのですが、これらについてはどういう狙いがあるのでしょうか。

牧嶋:アメリカでは1年前に“My NB”というロイヤリティプログラムがローンチしていて、SNSを使って商品についてシェアをするとポイントがたまったり、ランニングイベントに参加するとポイントがたまったり、そのプログラムを通じて顧客とブランドサイドとのタッチポイントになる役割が非常に強いものです。僕たちジャパンでもやろうとしているのは、ブランドとお客様の接点のハブになるということです。店舗のイベントに参加するなど、ブランドに関わっていただくことでポイントを貯められるようなプログラムにしていきたいと思っています。ペイメントに関しては、シニア層と若年層という両極端の客層に対応するべく、シニア層からご要望の高かったコンビニ後払い、若年層を中心に想定したアマゾンペイは、モバイルが中心になっていくなかで、駅から駅の間に決済が完了するためにはどうしたらよいかという発想から取り入れることにしました。

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ブランドの世界観を的確に伝える重要性

−続いてモバイルとPCのアクセス比率についてお聞きします。アンダーアーマーでは7割がモバイルという比率で、売上もモバイルがPCを今年上回ったというステイタスです。お二人のECサイトではいかがでしょうか。

山本さん(以下、敬称略):ゴールドウイン全体としてですが、3月までの1年間で、6割がモバイルとなり、前年比で4ポイントほどアップしています。アンダーアーマーさんの7割という数字には及びませんが、伸びていることは確かです。

牧嶋:ニューバランスもセッションでいうとモバイルが大きく6割を超えています。ただ、どうしてもモバイルの集客が増えていくなかで、モバイルのコンバージョンは課題です。今回リニューアルした狙いもそこにあるのですが、セッションと同時にコンバージョンも伸びていけばいいなという希望を持っています。

−ECサイトではプロダクトを買うプラットフォームを、それ以外でウェブサイト、アプリ、その他さまざまなSNSを使いプロモーションをなさっていると思いますが、ゴールドウインがLINEを採用していない理由についてお聞かせください。

山本:LINEが出てきたときの当時の印象として、ターゲットの年齢層が比較的若いということと、コンテンツをスタンプで表現するというところに、どうしてもザ・ノース・フェイスのブランドイメージが合わないのではという判断でした。それから数年が経ち、LINEが圧倒的なインフラとして発達を遂げていますので、再度検討すべき時期に来ていると感じます。

−アンダーアーマーもSNSを駆使している中でLINEのみやっていないという状態です。ニューバランスはLINEを導入してプロモーションをしていてよかったと思う点とは?

牧嶋:LINEはプッシュ通知がすごく強いため、瞬間風速は圧倒的だと感じています。導入当時にスタンプ開発を行なうなど施策を行ってきました。費用対効果を出すのが難しいと言われているLINEですが、LINEからバズとなって始まるビジネスも今は多いのでやっておいてよかったなと思います。

−2ブランドともブランド認知率も高く、広告を打ってECサイトへの送客を図るよりも、お客様とのエンゲージメントを高めることに力を入れていらっしゃるとのことですが、これまで行ったキャンペーンや施策でよかったものを教えていただけますか。

山本:弊社ではイベントと合わせたマーケティングをやっています。“ULTRA-TRAIL Mt.FUJI”という富士山を1周するトレイルランニングのレースの協賛をしていますが、そのレースに出場するために、装備の使い方やフィジカルや道具の準備について動画やさまざまなコンテンツを通して訴求をしています。同様な流れをキャンプやクライミング、冬山登山などでも作っています。これまでも年間通してイベントをやってきましたが、ニッチな競技のイベントが多く、以前はひとつのイベントで10人をきってしまうこともありました。これまではなかなか広がるのが難しかったですが、今は参加した方のSNSや、またアプリを通して、イベントに参加していない人にも情報がどんどん広がっていく時代になりましたね。

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モバイル比率が高まるなかで、アプリが担う役割とは?

−アプリをどのように位置づけていて、どのように使っていくのか。それぞれの展望についてお聞かせください。

山本:弊社ではザ・ノース・フェイス以外にも2つのブランドでアプリを立ち上げていますが、3ブランドとも直営店を持っています。アプリの役割としては、店舗への送客、ブランドを知ってもらうためのブランドコミュニケーション、という店頭とブランドと顧客をつなぐハブと考えています。アプリは移動中に見られることが圧倒的に多いので、空き時間にどれだけ見てもらえるか考え、使い易い仕様にすることなどを意識しています。ダウンロードをしてもらうためにクーポンを発行するなどの施策を打ち出していますが、その後アクティブに使っていただくために、コアなファンの方々のためにしっかりとしたメッセージを発信していきたいと思います。

牧嶋:弊社は昨年の秋に『Yappli』を導入しました。これまでニューバランスはオウンドメディアがかなり細分化しており、情報がバラバラに点在していた状態でしたので、一つのアプリで、さまざまな情報が得られるようにしたいという狙いがありました。メルマガの開封率が減少していくなかで、アプリのプッシュ通知による開封率の高さに驚いています。日本で新しく“My NB”のようなプラットフォームを作るのは難しいですが、先日『Yappli』が発表した店舗のバーコードを表示する機能を使って、今後は店舗、ECサイトのどちらで買い物をしてもポイントを加算していけるよう整えていきたいと思います。

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−今回、それぞれのブランドのお話を伺って、ロイヤルカスタマーとどうコミュニケーションをとるかをとても考えていると感じました。

山本:オムニチャネルの強力のツールになると感じています。今後もいろいろなイベントを企画していきますし、イベントでの経験をアプリ上で表現しつつ、その現場へとつなぐなど、“オムニエクスペリエンス”を楽しんでもらいたいです。VRも発達してきているので、導入の可能性もありますし、ブランドもしくは商品やイベントなど、ザ・ノース・フェイスに関する何かの興味の糸口になるようなツールにしていきたいですね。

牧嶋:正しい情報をしっかり伝え、ブランドの世界観を伝え、ニューバランスがこれからどういうブランドになっていくのか、アプリやSNSを通して発信していきたいと思います。

−今日のセッションでは進行役として私がお二人に質問をお聞きしてきましたが、お互いに気になっていることについて、それぞれお聞きしていただくのはいかがでしょうか。

山本:私からニューバランスさんへの質問は、サイトリニューアルをされたということで、その手応えとは?

牧嶋:我々は独自のコールセンターを持っていて、できるだけお客様の声をそこに集めるようにしていますが、使いやすくなったという意見がかなり多くあって、その点はとても満足しています。KPIの改善が見られていますが、まだ始まったばかりなので、チューニングをどれだけしていけるかが今後の成功につながると考えています。また僕からザ・ノース・フェイスについてお聞きしたいのは、僕たちニューバランスもライフスタイルという軸とスポーツという軸の2軸があるのですが、ザ・ノース・フェイスではタウンユースとアウトドアの軸の住み分けをどう意識されていますか?

山本:ザ・ノース・フェイスとしては機能軸をブレずに持つことが重要だと思っています。我々はアウトドアにルーツがあり、そこは絶対にぶれずに発信しているところでして、例えば、Yシャツに関してもテクノロジーが入っていて、伸縮性、速乾性などに優れています。アウトドアで培ったテクノロジーをライフスタイルのラインに盛り込むというところを一番意識しています。

──今回繰り広げられたセッションでは、世界的に多くのファンを抱えるブランドが、情報のアップデートをより多くの人に広め、また正確にブランドメッセージを伝えていくために、コミュニケーションの取り方に非常に重点を置いていることがわかりました。モバイルの使用率が高まるなか、動画などのコンテンツを駆使したり、リアルイベントなどと連動して顧客の参加率を高めたり、さまざまな施策を通して、顧客との相互コミュニケーションを深めていくことがブランドの成長の鍵となりそうです。

Text:Etsuko Soeda /Photo&Edit:Mio Takahashi(Fashion HR)

今回お伺いした主催企業

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株式会社ヤプリ

プログラミング知識不要で、わかりやすいUIを持ったさまざまな機能を選択するだけでネイティブアプリを制作できるアプリ運営プラットフォーム『Yappli(ヤプリ)』を運営。主要導入先には、ヤフー、日本ロレアル、新生銀行、ノースフェイス、ユニバーサルミュージック、福岡ソフトバンクホークス、TBSディグネット、コールマンジャパン、バートンジャパン、バロックジャパン(Azul by Moussy)、アダストリア(niko and…)と、多くの人気アパレルブランドにイベントPR、スポーツ、マスメディアと様々な業界・用途にて利用されている。

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